大判例

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広島高等裁判所岡山支部 昭和26年(う)723号 判決

よつて記録を精査すると原審公判調書によれば検事事務取扱副検事は起訴状記載の公訴事実中次の通り訴因の撤回変更する旨を告げた即ち公訴事実中第一(三)谷水三一外二名とあるを谷水三治外二名と訂正し第一(四)事実を全部撤回する旨及び第二(三)事実中即時金五千円を交付せしめとあるを即時金二千円を交付せしめと訂正する旨を告げた後起訴状を朗読した旨の記載がありその他原審公判に於て右の所謂撤回について何等判断をした形跡がない。ところで起訴状によれば横領罪として第一(一)(二)(三)(四)(五)の事実が併合して起訴されその中の(四)の事実全部を右のように撤回して居るのであつて実は公訴の取消であつて、単なる訴因の撤回ではない。しかして公訴の取消は第一審判決がある迄はできるのであり公訴の取消は刑事訴訟規則によれば理由を記載した書面でこれをしなければならない。そして公訴の取消があつたときは裁判所は公訴棄却の決定をしなければならないのであるがこの取消については原審で何等書面で公訴取消をした形跡が認められないから右の事実はいまだ原審に係属しているものというべく之に対して原審は何等の判断をしていないのであるから審判の請求を受けた事件について判決をしないもので此点で原判決は破棄を免れない。

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